戦後間もない1946年にイタリア市民の足として作られたMoto Guzzi Motoleggera 通称Guzzino の最初期型が入荷しました。


上にも書きましたが、このMotoleggera 65 グッチーノ 戦後イタリアの庶民の足として大変親しまれ、まさにイタリア車のマイルストーンの一台です。こちらはその中でも1946から48年に作られた最初期の一台です。

エンジンは2ストローククランクシャフトウエブバルブの吸気方式の42X46mmのロングストローク 初期型はシリンダーがアルミですが、53年からは鉄シリンダーになります。

当時グッチーノには沢山の外観や機能からドレスアップに至る様々な社外パーツが作られましたが、こちらの車両にはそんなパーツがあちこちに使われています。その中で一番大きな変更ポイントがこちら。
オリジナルはタンク横についたハンドチェンジですが、こちらはそれを通常のオートバイと同じフートチェンジに変更するフートチェンジギアボックスとペダル。

この蓋の中にチェンジメカニズムが入っています。このようなパーツはモトムなどツイストハンドチェンジのバイクにも作られました。

プレス加工のアルミカバーの内側にイグニッションコイルまで収まったダイレクトイグニッションのフライホイールマグネートが収まっています。現在ではこちらの電装を12VのCDI点火にアップデートできるキットもあり電装に関しては将来的にも安心です。



こちらもオリジナルのプラスチック製から真鍮にメッキを掛けたドレスアップパーツに変えられています。

グッチらしいゆったりした幅広のハンドルはオリジナル。右側にグッチーノ独特なレバースロットルとチョークが二重に重なったレバーが付きます。

下側がスロットル、上側がチョークのグッチーノ独自のキャブレターコントロール。
スロットルは適度な抵抗がある戻りの無いものでクルージングコントロール的な操作も可能です。このレバースロットルがなかなか具合が良くてグッチーノならではの操作感が楽しい装備です。

左側にはライトのディマーとホーンボタンが付いたスイッチがありますが、こちらは後付けのものです。元々はホーンボタンのみが付いていましたが、アンチモン製で使用不可になっていましたので当店で同時代で似合いそうな物を取り付けました。

これもグッチーノらしいプレスガーターフォーク。小ぶりなヘッドライトはCEV製で
オリジナルはヘッドライトHi/Loのみの少し特殊なランプが付きますが、こちらは少し後のスモールランプがつくタイプに変えられています。

最初期型の最初期にはホーンが付きませんでしたが、その後ホーンが追加されました。ホーンに関してはこのホーンではなく、もう少し前後に長いボディの専用品が付いているのが通常ですが、この汎用品に近いホーンが付いているのはあまりみた事がありません。
汎用品にも見えますが、色がマッチして製品状態で塗られている物のように見えますのでフレーム番号からしてもしかしたら最初はこのホーンが使われたのかもしれません。

通常スチール製のフェンダーがこちらは贅沢にもアルミフェンダーが付いています。
これが当初の仕様だったかは不明ですが、社外品だったとしても作りの良いものが付いています。
ガソリンタンク含めて外装品はオリジナルペイントでなく、後からリペイントされたものでオリジナルより厚みのある上質なペイントです。近年の塗装でなくそれなりに古いペイントです。

シートもオリジナルのゴムにシート表皮を張ったものからクッション性のある独特なシートになっています。リアシートも良くある感じでなく丸っこくて可愛らしい独特な形状のシートがしっかりしたステーを介して付いています。

こちらが最初期型の特徴的なスイングアーム。49年以降のモデルではシンプルで太い三角形になります。フロントのチェーンカバーも初期型とそれ以降では材質や形状も違います。こちらは最初期のタイプです。
マフラーは最初はテールエンドが小さなフィッシュテールが付いた物のようですが、ほぼ全期に渡って使われた長いテールエンドの物が付いています。


そしてこちらは純正品かも思われるレッグシールド。同形状の物がカルデリーノの郵便局仕様にあるのでそちらの流用かもしれません。


65ccというと非力で走らないと思われますが、実際乗るとすごく良く走るのでちょっとびっくりするバイクです。ビーンと力強く回るエンジンと軽快でふわふわと柔らかくストロークがある足回りが気持ち良いとても楽しいバイクです。ぜひ一度ご覧ください。