MV AGUSTA 175 CSTL入荷

以前当店で販売したMV AGUSTA 175 CSTL が入荷いたしました。

フレームとクランクケースや足回りはほぼ共通のコンポーネンツで構成されたCSTL、CSGT、CS、CSS とある一連のCSシーリースの中でも一番スタンダードなモデルがこのCSTLです。

CSモデル共通のクランクケースに他のモデルよりひと回り小型のシリンダーヘッドを持ったチェーンドライブのOHCエンジン。この軽いエンジンが軽快なハンドリングを生み出してる様に思います。

キャブレターはUA18Bが装着されています。金属製のエアフィルターもオリジナルの装備です。

ハンドルは当時のカスタムパーツ”チネリ”がついています。こちらで何度か紹介していますがリンクとピストンが内蔵された高級品です。
メーターは当時の使用に倣って蓋が装着されています。

少しエラの張ったオリジナルタンク。

シートはオリジナルからツートン仕様に張り替え済み。


特徴的なクイックリリース式のリアブレーキロッド

"emmevi”の刻印付きのサイレンサーもオリジナル仕様。

CSシリーズの中でも一番軽快な走りのこのCSTL、ちょっとした普段のお出かけからツーリングまで使い勝手の良いビンテージMVです。ご興味の方ぜひご覧ください。
2024/3/11ご成約ありがとうございます。

 

Motobi 125 Ardizio Standard 入荷。

Motobiと言えば125、175、250などの水平4ストロークモデルが有名ですが、創業当時は2ストロークエンジンのみのメーカーでした。最初のモデルバレステリーノから水平シリンダーのデザインとスクエアボックス形状のフレームを採用し、2年後にはモトビのアイデンティティーとも言えるエッグシェイプの水平シリンダーデザインの2ストローク125エンジンをプレスバックボーンタイプのフレームに搭載したArdizioを発表というのが初期モトビの流れですが、この個体は当時のArdizioの中には無いパイプフレームを使った唯一のモデルで1956年式のModel "Standardになります。

このStandardというモデル、店主もその存在を最近まで知りませんでした。
初めて見たのはコロナ禍前の2019年のイタリア、もしかしてこれはカスタムで作られたのか?と思うほど違和感があったのを覚えています。その車両がこちら。

あまりにコンディションが良くなく購入は躊躇したのですが、その後どうしても気になってもう一回見たいと思っていたところこちらを発見、即購入、輸入となった車両です。
入荷後色々と調べてみるもなかなか資料が無く、どういった車両なのか不明でしたが、自分のコレクションの当時のカタログの中にこのモデルを見つけやっとこれが何だったのか分かりました。

それがこのカタログ。1956年となっていますが、この時はまだ4ストロークモデルはは発表前で予想図とエンジンのみの紹介の時期、左上にその車両が載っています。

ですが、それ以外の同年のカタログにはこのモデルはあっても他と同じボックスフレームに変わっていてこのデザインの記載はなく、理由は不明ですがごく少数のみが作られたモデルの様です。

と、とても謎の多いこのモデルですが詳細をご紹介。

エンジンは54X54mmの123cc。エッグシェイプの水平シリンダーと繋がった丸いクランクケースが特徴です。キャブレターはDellorto UA18A フロートの下のドレインパイプ付きのオイル受け皿があるのがモトビならではの装備です。
そしてこのバイクのもう一つの特徴はこのエンジンを上1点と下2点の3点ラバーマウント支持という当時としては高級な仕様になっていることです。
当時の125cc2ストロークバイクというと日常の足に使われる実用車というのが一般的でそこにラバーマウントを採用するというのはなかなかに凝った造りです。

チェンジペダルと同軸のキックペダルも初期モトビの特徴で4ストロークの初期Catriaなどまでにも繋がるデザイン。

このモデル独特の異様に大型のツールボックス。後にも先にもこのモデルだけのデザインです。

こちらも特徴的なシンプルなヘッドライト周り。スピードメーターの装着はもとよりライトスイッチさえも想定されていないミニマムなデザインです。

モトビのデザインの中では異端な上側にエラの張ったタンク。モンディアルなどに似たデザインがありますがその辺りを意識したデザインなのでしょうか。作りの良いメタル製のタンクキャップは社外品かもしれません。

シートはオリジナルではなく当時の社外品がついています。

フロントフォークはArdizio Turisumoと同じですがブレーキは一回り小さなコニカルハブのブレーキが使われています。リムはリブ付きのアルミリムと高級仕様。多分これは後に変えられたと思われます。

このモデルのみの2本のパイプで構成されるフレームのショット。ノーマルのボックスタイプのフレームに比べると簡素な作りが足回りの構成も含めて軽量な車体作りを目的にした感が伺えます。
2ストロークモトビは先にも説明したように当時の125cc 2stとしては車体周りも凝った作りで、個性的なエンジンも相まって一般的な125とは違い意外に重厚感のある走りが特徴です。その重厚感がこのフレームでどう変わるか、とても興味深い車両です。

 

Gilera 150 Turismo 入荷。

1950年代ジレラの主力モデル150 Turismoが入荷しました。

1949年から52年にかけて生産された125Turismo/Sportをベースに150ccへの排気量拡大と足回りなどをアップデートして52年から60年まで販売されたのがこちらの150 Turismoになります。これをベースにGiro d' Italia などにも出場するなど日常の足からスポーツ、長距離レースまで色々な場所で活躍した50年代のジレラを代表するモデルです

エンジンは4ストロークOHV、ボア・ストローク54X54mmのスクエア、バルブ挟み角の無いフラットヘッドが特徴です。その他の特徴としてはドライブスプロケットと同軸の乾式クラッチを装備し、当時のツーリスモクラスとしては贅沢なDCダイナモのバッテリー点火を採用、点火のポイントもカム同軸でスポーツバイク並みのレイアウトになっていました。

ちなみに電装系に関しましては12Vのキットもあり、その場合12V CDI点火バッテリーレス仕様にもなりますのでオイル交換以外ほぼメンテナンスフリーでお乗りいただくことも可能です。

キャブレターはデロルトMAを使いツーリスモはMA16B、スポルトはMA18Bと使い分けられています。こちらはツーリスモなので16がついています。

ハンドルもツーリスモ仕様の低いコンチネンタルタイプがオリジナル。
先の細いレバーも50年代初期の特徴です。

スピードメーターは50年代後半から60年代のVeglia製、Gileraのロゴ入りです。
ヘッドライトユニットはアプリリア製でライトの左側がチャージングランプ、右側がヘッドライト切り替えスイッチを兼ねたイグニッションキーとなっています。

キメラのマークがあるオリジナルのタンクキャップ。表面は樹脂ですが、中はアルミ製部材にネジが切ってあり凝った作りです。

オリジナルのアルミ鋳物製の風切り。

こちらも150シリーズ独特のアルミ鋳物製サイレンサー。前の方にGILERAの鋳出しロゴがあります。アルミ製ゆえの落ち着いた音が特徴です。

ヘッドパイプのMOTo GILERAのロゴ。イタリアンらしいデザインです。

前後19インチのタイヤで前後に伸びやかな車体。エンジンの全高が抑えられているのでシート位置も低くどなたにも乗りやすいポジションとなっております。

先にも書いたように1950年代らしい19インチホイールで全体的に伸びやかながら上下に低いエンジンのおかげで低く構えたデザインが特徴のこのGilera 150 Turismo
低い全高ゆえに足つきも良く、シンプルで軽量故にハンドリングも軽快とどなたにもお楽しみいただける一台です。使い勝手の良いビンテージバイクとしてもおすすめです。

 

Sideway Trophy 2023 Winter

11/26に千葉県袖ケ浦市のフォレストレースウェイで行われたSideway Trophyに参加してまいりました。

当日は天気が不安定で雨などもあり決勝レースが中止になるなどもありましたが概ね多数の走行できて終了できました。

今回の目玉は以前から久々の走行に向けてメインテナンスしていたMV AGUSTA 125 Monoalbero Competizione 流石に純レーシングバイクは扱いが難しいですが、何とか無事走行して快音をなびかせていました。

その他Moto Morini Settebello やAermacchi Ala d Olo 250,Motobi 250SS Corsaなども走行。

それでは少しだけですが他の走行されたバイクの画像を。

 

ビンテージレーシングバイクのみならず公道仕様のバイクでも参加できるこちらのイベント、次の開催は来年の5月の予定です。2輪だけでなく4輪のレーシングカーの走行も観れるので観覧や参加是非ご検討くださいませ。

 

Museo Benelli Pesaro

イタリアでの仕事は完了して1日予備日として取ってあった日時間ができたので久しぶりにペサロにあるMuseo Benelliに行ってみました。

こちらのミュージアム、同じペサロにあったモルビデリミュージアムの所蔵車をASIが引き継いだ物の展示も増えて以前よりかなり充実した内容になっていて、かなり見応えがありました。

その中でも白眉の一台、Benelli 250 DOHC 4気筒 スーパーチャージャー

第二次世界大戦直前に作られた為GP含めレースでは走ることが無かった悲運のバイク。

この他にも多数の戦前車のコレクションが一杯です。

こちらは1930年頃のBenelli 175 DOHC

こちらも悲運のプロジェクトBBC

こちらのミュージアムはベネリの旧工場その場所にあります。イタリアには他にも沢山の私設ミュージアムがありますが、こういう所に来るとイタリアのバイク文化に対する層の厚さを感します。

 

2023/Nov イタリア出張

例年恒例の秋のイタリア出張、今回は11月にミラノで行われるモストラスカンビオに合わせて出発。
コロナ禍以降いつもの羽田発夜便でとはいかなくなり、昼の便で夜中にイタリアに到着する便を使ってという事になりましたが、これまた最近ままある遅延でコネクションフライトが上手く行かず、目的地のミラノまで日を跨いで36時間ほどかかってしまいました。
本当は搬入日から回る予定が1日無駄になり、マーケットオープン1日目朝早くからモストラスカンビオへ。

気になる天気の方は初日少し雨に降られましたが概ね良好で、色々と見回り必要な部品やバイクも仕入れることができました。
そんなモストラスカンビオの雰囲気をご覧ください。

店主もう30年近くこういうモストラスカンビオに通っていますが、行く度に新鮮なバイクやメモラビリア含む部品などの出会いもあり、今回も充実した時間を過ごさせていただきました。

 

モトイタリアーノツーリング 2023

10/21〜22日に岐阜県下呂地方で今年も行われた恒例の秋の”モトイタリアーノツーリング”に参加いたしました。

 

少し心配していた天気もなんとか持って秋の木曽路を堪能いたしました。
同じ時代の同じ様な排気量とのツーリングは本当に楽しいです。
また来年も皆様とご一緒できるのを今から楽しみに、そして新しい出会いも期待しています。