Mondial 125 Lusso 入荷。

1950年台GPはじめ数々のレースで活躍した当時のイタリアンレーシングバイクの象徴とも言えるMondial
そのモンディアル、市販車はかなり尖ったスーパースポーツから実用車まで色々なモデルを生産しましたが、その市販車の中でも気軽にMondialのエッセンスを味わえる125 Lussoが入荷しました。

1955年から59年にかけて作られたこちらの125 Lussoというモデル 50年代後半王道のイタリアンデザインとも言える造りで、軽量なオープンクレドルフレーム、テレコピックサスペンションとスイングアームの前後足まわり、イタリアン独特のエラの張ったタンクとロングシートにクリップオンハンドルというスポーティーなデザインでいかにもイタリアンライトウェイトといった綺麗なバイクです。

エンジンはオーソドックスなOHVの125cc で4速のギアボックス。当時の標準的な仕様のエンジンです。オーソドックス故に信頼性は高いです。

キャブレターはお馴染みのDellorto エアフィルターが付いていて実用的です。

トップブリッジに挟み込む形で付けられるクリップオンハンドルはスポルト仕様でオリジナルの物。

当時のままのオリジナルタンクキャップ

モンディアルオリジナルの倒立タイプフロントサスペンション。ハブのデザインもモンディアルらしいです。

リアもスポーク穴の間隔に特徴があるモンディアル独特のデザイン。

やはり低く構えたこのアングルがイタリアンらしいと思います。エンジンがピーキーでなく、軽快ながら4ストロークらしいエンジンのフィーリングも楽しめるバイクです。フライホイールマグネート点火でメンテナンスも簡単で原付2種で維持もしやすく気軽なビンテージバイクとしてもお勧めです。ご興味の方是非ご覧ください。

2023/10/14ご成約ありがとうございます。

 

Lambretta Model F 入荷。

店主お気に入りのModel A からF までの初期Lambrettaシリーズ、その中でも希少なModel F が入荷しました。



Lambretta Model F は当時の主力モデルModel Dの廉価版として1953年に作られたModel Eの後継モデルとして1954〜5年にかけて販売されました。
こちらの個体はその中でも初期のFでフレームナンバーなどはEのままModel Fに転換していった頃の希少な個体になります。

エンジンは縦置きクランクの2ストローク52X58mmのボアストロークで排気量は123cc
シャフトドライブ駆動。サスペンションはトーションバースプリングを用いたユニットスイングとなっています。

そしてこちらがModel E,F最大の特徴の横踏みキック機構。最初のModel Eでは何と手でロープを引っ張るプルスタート方式を採用。スタートの際のケッチン防止の為に2stとしては珍しい進角機構が備わっていました(手動もしくは自動)その後キックスタート方式に始動部のユニットを入れ替えたのがModel Fとなります。

シフトはランブレッタ独特のTeleflex 製のシングルワイヤー方式の3速。

Telefrex のロゴと当時のまま残ったタックスホルダーと納税証明。

オリジナルヘッドライト。

Model Dとは逆さまの向きになったリーディングサスペンションも初期型Fの特徴。

当時のディーラーデカールが残っているフロントフェンダー

フロアボードもDより幅狭でフロアレールも簡略仕様となっています。
そしてスタンドもレギュラーモデルが鋳物製のメインスタンドからスチールバーを曲げて作られたサイドスタンドになっているのもE,Fの特徴です。

こちらもこのシリーズの特徴、フレームがループになっておらずU字型でスッパリと切られています。そしてその切り口に蓋を付けてツールボックスに。エンジンを遮るものがなく、ガソリンタンクも宙に浮いた感じのとても不思議な感じのデザインになっています。

薄型のガソリンタンクにはオリジナルのデカールがしっかり残っています。

タンクキャップもオリジナルと思われます。

大型のボックスの状態も良好。残念ながらキーは欠品です。

テールランプはオリジナルからAprilia製のCatluxに交換されていますが、こちらは当時オリジナルに無かったストップランプをつけるためにされたもの。

全体的にとてもオリジナル度の高い個体で現状でもエンジン始動確認済みで一通り整備すれば乗り出せそうなぐらい良い状態です。Model Dと同じぐらいのパワーでありながらシンプル化したエンジンと車体周りでD以上に軽快に走るとても走りが楽しいスクーターです。同じ時代のヴェスパと一味違う乗り味とデザインをお楽しみいただければと思います。

 

Motobi 175 Catria 入荷。

久しく入荷の無かったMotobi その中でもリクエストの多い175Catriaが入荷しました。

Motobiは店主の最もお気に入りのイタリアンで今までに多数の車両を取り扱ってきましたが、イタリアで一番見かけるのは5速の125SSそして4速の125Imperiale Sportで意外と175ccのCatriaはそう多くありません。そしてリクエストが多いのが175なのですが、ここ数年状態の良い175が見つからずにいました。そんな中、今回やっと一台確保した一台がこちらです。

エンジンはお馴染みのEggシェイプの4ストロークOHVの175cc ミッションは4速
キャブレターが前向きについたLussoとも呼ばれるノーマルタイプです。

初期型はキックがチェンジペダルと同軸で右側にありますが、こちらはその後キックを左側に移した中〜後期型になります。

ハンドルは当時の社外品の中でも高級なチネリ製のスワローハンドルが付いています。
メーターはMotobiロゴ入りのVeglia製、60年代の物です。

タンクは少し大型のLusso仕様。

シートはリカバーされていて状態は良いです。テールランプはアルミ枠のCEV製。Lambrettaなどと共通の部品です。

テーパード楕円パイプのスイングアームが中期型の特徴です。後期型は普通の丸パイプになっていきます。

水平シリンダーレイアウトで軽量クランクとシンプルなエンジン構造ゆえの吹け上がりの良いのがモトビの特徴。低い重心と軽量なエンジンがもたらす軽快なハンドリングで素直な乗り味もまたモトビの良いところ。エンジンもシンプルゆえにタフで信頼性も高く、いい意味でビンテージらしさを感じません。重厚な乗り味でなく軽快で楽しいバイクがお好みの方ぜひご覧ください。
2023/10/29ご成約ありがとうございます。

 

Moto Guzzi Airone Sport 入荷。

当店で人気車種の一台 Moto Guzzi Airone そのSportモデルが入荷しました。

今更説明がいらないくらい有名なアイローネですが、こちらの個体は後期型のSportモデルとなります。状態を見ると過去に一度レストアされてから使用された後タンクと前後フェンダーを近年に再塗装したものと思われる個体です。

エンジンの仕様は自動進角のCEVマグネートを積んだ後期型。キャブレターはSSI 25FがSportの仕様。

ツーリスモの踵ふみブレーキから後退させるためにキックアームと同軸になったブレーキペダルがSportの特徴です。

同じくツーリスモより後退したチェンジペダル。ペダルの踏み返し側のデザインが違うのも特徴です。

低く構えたスワローハンドルがSport仕様。希少なVEGLIA製の専用メーターが付いています。

プラスチック製のメーターレンスとパネルフェイスの為少し曇りが見られますが状態は良い方です。同じく針もプラ製のためオリジナルで残っているのは貴重です。
メーターの外枠が赤いのがグッチ専用品であることを表しています。

タンクは近年にリペイントされたようでとても綺麗な状態です。

ピリオンシートがキャリアでなく直接フェンダーに着くのがSport仕様。シートは使用感ありますがリプロパーツもありますので簡単にリフレッシュ可能。

前後リムはボラーニ製アルミリムがこれまたSport仕様です。マフラーは新品の様な状態です。

250ccクラスのビンテージイタリアンの中でもクラッシックなスタイルと走りの良さで人気のアイローネ、そして見た目と裏腹にビンテージらしくない信頼性のあるエンジンも魅力の一つです。初めてのビンテージからベテランの方の気軽な使い勝手の良い一台としてもお勧めなバイクです。ご興味の方ぜひご覧ください。
2023/10/1 ご成約ありがとうございました。

 

MV AGUSTA 175 CS Disco Volante 入荷

イタリアからとても美しくレストアされたMV AGUSTA 175 CS Disco Volanteが入荷。

ビンテージイタリアンバイクの中でも珠玉の一台、MV AGUSTA 175 CS 通称Disco Volante
こちらはその中でもテレスコピックフォーク仕様のCSです。

エンジンはチェーン駆動のシングルカムOHC 一連の市販175CSシリーズではアッパークラスの大型ヘッドを持つ仕様となっています。

CSなのでキャブレターはDellorto UB 22を使用。

47で始まるのがCS仕様のエンジンNo.を表しています。エンドのsはテレスコピックフォーク仕様のSを表しています。


トップブリッジに独特の固定方法でつくハンドルもCSの特徴。

プラスチック製の専用タンクキャップがおしゃれです。

CSシリーズ共通のフロント周り。タコメーターギアの取り付けが独特です。

MV 独特のブレーキリンケージがクイックリリースで外せる仕様もオリジナルどおり。

シート形状、表皮の色、テール/ナンバーステープレートもオリジナルどおり。

Emmevi の浮き出し文字付きのサイレンサーもオリジナルどおり。

そしてこのバイクの一番の特徴、ディスコボランテ空飛ぶ円盤と呼ばれるタンク。

このアングルがまさにイタリアンスポーツバイクを体現していると思います。

正面から見るとさらに際立つ独特のデザインが美しいと思います。フロントフェンダーとのバランスも素晴らしい。

その希少性から滅多に売り物が出ることのないDisco Vorante
売り物が出ても各部の整合性や重要な部品がリプロパーツなどでお勧めできる車両がなかなか無く、久しぶりに出た一台です。お探しの方是非ご覧くださいませ。

2023/9/23ご成約ありがとうございます